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〜Mint Candy Story〜

第42章 -電車-(青峰大輝)[後編]


「うん。たぶん、あのコ…
向坂中の4番のコだ…。
向坂中の男子のほう観に行った時に
赤司くんと少しだけ見たの。
女子でダブルクラッチを
あんなにキレイに決めるの、
初めて見たって、あの赤司くんが
珍しく褒めたから、印象に残ってて…」


…⁈


シュートを決めた5番は、
他の奴らと抱き合って喜んでいた。


「名前…わかるか?」


間違いない。
あの5番はすみれだ。


でも、オレは思わず
さつきに名前を聞いた。


「えっと、たしか…」


さつきはカバンからノートを取り出し、
パラパラとめくっていく。


女子の情報まであるのかよ?


「檜原すみれ。
学年はわたしたちと同じ。
去年の向坂中の主将でポジションは
スモールフォワード。
オールラウンダーで1on1が得意。
でも、たしか…バスケ辞めたって
聞いたけど…」


「なんでだよ?」


目は5番…すみれからはなさない。


「そこまでわかんないけど…。
でも、うますぎて…」


そこでさつきは言い淀む。


「あ⁈だから、なんだよ?」


オレはそれを許さない。
さつきに次のことばを促す。


「周りからやっかまれてたって
聞いたことあって…」


…っ⁈


だから、あいつ…⁈



ピッピーーーッ‼︎



試合終了のホイッスルが鳴る。


すみれはチームメイトに
なんか声を掛けていたけど、
目の奥は笑っていなかった。


「ちょっ⁈大ちゃん⁈」


オレはそのまま体育館の奥へ…
すみれに向かって一直線に進んだ。


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