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〜Mint Candy Story〜

第42章 -電車-(青峰大輝)[後編]


-青峰side-


「青峰くんっ!帰らないでってば!
今日は専門の先生が
来てくれるんだよ!」


「あ⁈うっせぇな!
もう大丈夫だっつーの。」


こないだキレたばっかなのに、
さつきの奴…
また余計なコトしやがって…


無理矢理学校に
連れてきたかと思えば、
誕生日プレゼントだっつって、
学校のツテで呼んだらしい
医者に腕を診せろとか言いやがる。


ふざけんなっ!


自分のことは自分が一番…
わかってんだよ…


「あ!待ってよ!」


さつきを無視して、校門へ向かう。





…ダムダムダム




…っ⁈


あぁ…女子か…。


第二体育館の横を通る時、
ドリブルの音が聞こえてきて、
思わず足を止めてしまった。


「あ、そういえば、
女子は今日練習試合だっけ…
たしか、桜川女子…」


「あ⁈さつき、今なんつった⁈」


さつきのことばに耳を疑う。


「え?だから、女子は練習試合…」


「相手校だよっ‼︎」


「桜川女子だけど?」


さつきがポカンとして
オレを見上げていたが、
オレはさつきを無視して、
体育館に足を踏み入れた。


「ちょっ⁈大ちゃん⁈」


いるわけない…
あいつはバスケは辞めたっつってた。



でも…



頭ではわかってるのに、
わずかな可能性に
何かを期待している自分がいて、
オレはその衝動を止められなかった。


「も〜う‼︎
あ!やっぱウチが勝ってるね。」


まだ医者に診せるコトを
諦めていないのか、
さつきも結局後ろからついてくる。


ちょうど第4Qが始まったトコだけど、
結果は見えていた。


桐皇の圧勝…


でも、オレが観たいのは、
ウチじゃなくて、桜川女子のほう…


1人1人見ていこうと思うのに、
目に入ってくるのは、
桜川女子の5番ばかり…



…あいつ…⁈



勝ってるのは桐皇だったが、
コートの中で1番目立っているのは、
桜川女子の5番だった。


あの5番…
あれ、ぜってぇすみれだよな⁈


桜川女子の5番が、
ドライブから…ダブルクラッチ⁈


シュートが決まった瞬間、
体育館は一瞬ざわついていた。



「あ!あのコ…」


さつきの視線の先はオレと同じ
桜川女子の5番だった。


「知ってんのかよ?」

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