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〜Mint Candy Story〜

第42章 -電車-(青峰大輝)[後編]


咲花はバスケ部。


つまりは、咲花の言う”試合”とは、
バスケの試合のコトだ。


咲花は中学から桜川のバスケ部で、
どうやらわたしのコトを
知っていたらしい。


桜川女子は中学も高校も
そこまで強くはない。


でも、わたしが行っていた中学は、
同じ学区なら学校名は
それなりに知られている中学だった。


咲花は事あるごとに部活への勧誘か、
試合の助っ人を頼んでくる。


でも、わたしは全て断っていた。




女のコ同士の集まりなんて疲れる…。




そう思うのに女子校を選んだのは、
なんだか矛盾してるけど。


別に女のコが嫌いなんじゃなくて、
団体競技は…
もうしたくないと思っただけだから。


『お願いっ‼︎
今日先輩が怪我しちゃって、
メンバー足りないの!
どうしてもすみれが必要なの!』


『そんなこと言われても…。
前に話したよね?』


『でも、わたしたちはすみれの
中学の時の人たちじゃないよ。』


『…うん。』


そんなのわかってる。
咲花だってすごいいいコだし、
先輩たちも何回か話したけど、
とても優しかった。


でも…。


『でも、今回の試合相手聞いたら、
すみれは絶対試合に
出てくれると思うんだけどな♪』


…⁈


わたしが”でも…”と言おうとすると、
同じ”でも”と言うことばで、
咲花がわたしのことばを遮った。


『…なんでよ?』


『31日の練習試合の相手、
桐皇学園なの。試合場所も桐皇。』


『桐皇っ⁈』


”桐皇”と言うことばに、
今度はわたしが
咲花のことばを遮っていた。


『そ♪桐皇‼︎
男子も女子も急成長中。
特に男子は今年はキセキの…』


『さ…咲花っ‼︎』


『ふふ♪安心して♪
先輩たちにはその話はしてないから♪
わたしはあのすみれを
連れてきたってコトで顔が立つし、
すみれは青峰くんに
会えるかもでしょ?』


『なっ…⁈』


咲花には青峰くんのことを話していた。
だからって、まさかこんな形で…


『出てくれるわよね?』


『は…ぃ。』


『ん〜?声が小さいなぁ?』


こういう時の咲花は容赦ない。


『で…出ます。出させてください。』


『そうこなくっちゃ♪』


そうしてわたしは本当に
桐皇学園に行くコトになった。

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