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〜Mint Candy Story〜

第42章 -電車-(青峰大輝)[後編]


-すみれside-


夏休み‼︎


プール‼︎海‼︎花火‼︎お祭り‼︎



なんて、夏っぽいことは何一つせず、
気がつけば、
夏休みも8月中旬となったけど、
帰宅部のわたしは特にするコトもなく、
塾に行ったりたまに友だちと会ったり、
ダラダラと毎日を過ごしていた。


こんなダラダラする夏休みは初めてだ。


中学の頃は毎日部活で
忙しかったからなぁ。


バスケ部で
汗を流していたコトを思い出すと、
チクンとする少しの胸の痛み…そして、
青峰くんのコトを思い出してしまう。



電車の中で偶然出会った青峰くん…。



青峰くんと電車で会って以来、
わたしは毎日電車の中で
青峰くんを探していたけど、
青峰くんに会うことはなかった。


地元も隣駅、
学校も隣駅とはいえ、
必ず会えるわけではない。


そもそも、
あの1回しか会っていないし、
知っているのは名前と学校だけ。


学校を知っているとはいえ、
わざわざ学校まで押しかけるのも、
どうかと思うし…。


あのキスはなんだったの?
青峰くん、モテるだろうし、
遊んでるのかな…。


青峰くんにとっては、
キスも特別なものじゃないのかな…。


会えなければ会えないほど、
わたしの頭の中は青峰くんに
どんどん侵食されていく。


好きとかそういうんじゃない。


ただ、気になるだけ。


もう一度青峰くんに会いたい。


ただ、また話したいだけ…。


会えなくても、
少しだけ期待して乗る電車も、
夏休みの間は乗るコトもない。


わたしは暇な夏休みを持て余していた。




〜〜〜♪♪




そんな暇な夏休み、
部屋でゴロゴロしていると、
スマホが鳴った。


メッセージではなく、
珍しく電話だった。


『はいはーい。咲花?』


電話の相手はクラスメイトの咲花。
ディスプレイを見て、
電話の相手がわかっていたので、
わたしはベッドに寝転がりながら、
お気楽モードで電話に出た。


『久しぶりー♪
相変わらずヒマそう(笑)」


『初っ端から
なんか失礼なんですけどー。』


『だって、声がダラけてる(笑)』


クスクス笑いながら言う
咲花のことばは否定できない。


『で?なんか用事?』


『相変わらず察しがいいね♪
あのね、31日に試合があるんだけど…』


『お断りします!』

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