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〜Mint Candy Story〜

第41章 -海常-(黄瀬涼太)


「黄瀬ー!
そろそろミーティング始めるぞ。」


ほんとに30分たったのかは
わからないが、体育館の外で
ファンのコたちと喋っていると、
小堀先輩が迎えに来てくれた。


そのことばを合図に、
オレはファンのコたちに手を振り、
小堀先輩と体育館へ向かった。


「モテるってのも大変だな。」


後ろで手を振っている
ファンのコたちを見て、
小堀先輩は苦笑いをしていた。


「そーっスか☆⁈
オレは嬉しいっスけどね☆」


「オマエなぁ…。嫌味かよ。」


今のこたえもウソじゃないっス。


ただ満たされない…それだけだ。


「あ!黄瀬!
オ…オレ、ちょっと用事!
オ…オマエ、先入ってろ!」


「は⁈」


体育館の扉の前に来ると、
突然ソワソワした小堀先輩が、
用事があると言って、
そのままダッシュで
引き返してしまった。



変な人…。



小堀先輩の印象が
ちょっとだけ変わった瞬間だった。



ま、いっか。


とりあえず先に入ってるか。



ガラッ…




パン‼︎パンパンパンッ‼︎


「な…っ⁈」


体育館の中は真っ暗…
そして、クラッカーの爆音…


外の明かりを頼りに
中を見ようとしたけど、
突然ガシッと両腕を誰かに掴まれ、
扉もまた閉められて、
オレの視界は真っ暗になってしまう。


「「黄瀬ーっ‼︎
誕生日おめでとーっ‼︎」」


パンパンパンパンッ‼︎


またしても鳴り響くクラッカーの音…



えっ⁈誕生日…⁈オレ…の…⁇


ミーティングって…コレ?


だから、すみれ先輩は、
オレを体育館から追い出した…?



パチッ‼︎



いろんな想いを巡らせ、
思わず目頭が熱くなっていると、
突然体育館の照明が付いた。


「ま…まぶし…っ……⁈」


「黄瀬ぇっ‼︎おめでとぉっ‼︎」


目が光に慣れてきて、
一瞬皆を認識した瞬間…



バンッ‼︎


ベチャ…‼︎



え…?



ベチャ…??



オレの視界はまた真っ暗になった。


ただ、真っ暗になったのは、
照明のせいではなく、
クリームたっぷりのパイのせいだった。


「「うぇぇぇい‼︎」」


湧き上がる歓声…


「クリームも滴るいい男…だな!」


「よく似合ってるぞ‼︎黄瀬!」


オレにパイを投げつけたのは、
森山先輩と早川先輩だった。

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