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〜Mint Candy Story〜

第40章 -悪魔-(青峰大輝)


「はぁぁっ…だりぃぃぃ…」


会食も無事に終わり、
自宅に戻った青峰社長は、
靴を脱ぎ捨て、
スーツのジャケットも投げ捨て、
ネクタイを緩め、
ソファにダイブした。


「あっちぃ…」


都内の高級賃貸マンションの37階…
青峰社長の自宅…


社長室といい自宅といい、
社長というのは
高い所が好きなのだろうか?


この家にこの時間に来ると
部屋の明かりがなくとも、
いつもキラキラ光った東京の夜景が
部屋の中を照らしてくれていた。


でも、自分の家とはいえ、
脱ぎ捨てた服を集める側の気持ちも
少しは考えてほしい。


「お疲れさまでした。」


青峰社長の靴を揃え、
青峰社長の投げ捨てた
ジャケットとネクタイを拾い集め、
青峰社長のいるリビングへ行った。


「すみれ…」


お酒が入っているからだろうか…?
でも、ここ最近の疲れもあるのだろう。


青峰社長は、いつもより
トロンとした目で見つめながら
わたしの名前を呼んだ。


「はい。」


わたしは拾い集めたものを
一人掛けのソファへ置いてから、
青峰社長のそばまで行く。


「もう敬語じゃなくていいだろ?」


…ギュ。


大輝は身体を起こし、
わたしを抱き締め、
わたしの胸に顔をうずめた。


「…うん。…お疲れさま。」


わたしは敬語をやめ、
大輝の頭を優しく撫でた。


大輝はわたしから
エネルギーを充電するかのように
抱き締めてくれる力を込めていく。


「どうしたの?」


わたしが大輝の顔を覗き込むと、
大輝は少しだけ
拗ねたような顔をしていた。


「その服でも…妖怪誘惑しやがって…」


「…えぇ⁈」


そんなコト⁈
てゆぅか、誘惑なんかしてないってば…


「そんなに今吉社長の言ったコト、
気にしなくても…」


今日の今吉社長との会食は、
和食の料亭で、
なぜか秘書同伴で…というコトで、
こちらはわたしが、
あちら側は今吉さんの秘書が同席し、
4人で食事をした。


その食事の席で、
今吉社長が、
わたしの服について触れたのだ。


*----


『檜原さんて
いつも同じような服やなぁ?』

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