• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第40章 -悪魔-(青峰大輝)


「ふぅん…似合ってんじゃん。」


大輝の用意した服を着て、
大輝の前に行くと、
大輝は相変わらず舐めるように
わたしの全身を見た。


ただ、少しだけ淋しいのは、
大輝は既に仕事モードであるコト…。


いつも大輝のほうが仕掛けてくるのに、
大輝の切り替えは呆れるほど早い。


「やっぱり身体のラインを隠すなら、
この丈とシルエットだよな。」


大輝はフレアスカートの裾を触る。


「青峰社長?そろそろ出ないと、
今吉社長にまた嫌味を言われますよ?」


悔しいからわたしも仕事モードで返す。


「しょーがねぇなぁ。
でも、妖怪んトコと共同でやんねーと、
今回のは意味ねぇしな。」


青峰社長はようやく腰をあげ、
エレベーターホールに向かう。


先ほどと同じ…
わたしがエレベーターのボタンを押すと
スッと乗り込む青峰社長…



今度はわたしに触れようとしない。



社長室は24階…



20…



15…




8…



どんどんどんどん1階に近づいていく…


「青峰社長…」


「あ?」


少し小さい声で彼を呼ぶ…



7…



彼は身長差を埋めるため、
わたしに顔を寄せる。



6…



わたしは彼の腕を引き寄せる。



5…



一瞬目を見開き、
驚いたようにわたしを見る彼…



4…



彼が喜ぶよう、
わざと少しだけ
彼の腕に胸を触れさせる…



3…



そのまま背伸びして…




彼に口付け…
わざと少しだけ舌をねじ込む…



…チュ



2…



彼から離れる



1…




「…やってくれんじゃねぇか。」


彼がボソッと呟き、
そっとわたしの手を握る。



そこでエレベーターのドアが開く。


彼はわたしの手をはなし、
いつものように歩き出す。


またしてもザワつくオフィスの入り口…


わたしの中に生まれる
小さな嫉妬と優越感…




あの悪魔はわたしのモノ…


彼と付き合ってから、
わたしにも
悪魔の素質があったのかしら?


そう思うコトが稀にある。



青峰社長と付き合っているコトは
誰にも言っていない。


自分の彼がモテているところなんて、
正直見たくもない。


だから…少しくらいいいでしょ?



わたしは彼の選んだ服を着て、
誇らしい気持ちで彼の後ろを歩いた。


/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp