第40章 -悪魔-(青峰大輝)
「ふ…ぁ…っ…」
甘いキスから深いキスへ…
「はぁ…んな声出すなよ。
今シタくなるじゃねーか。」
唇をはなした大輝が、
ため息を漏らしながら言う。
「ダ…ダメですっ‼︎」
わたしが慌ててはなれると、
大輝はちぇ〜っと拗ねていた。
「わーってるよ。今日の夜な。」
…っ⁈
「つぅか、おまえ、ブラ何色?
どぉせ、濃い色だろ?」
わたしがアタフタして
何も言えないでいると、
大輝が突然わたしを引き寄せ、
半袖ニットの胸元を覗いてきた。
「ちょっ…⁈」
「ふぅん♪今日は黒…かぁ♪」
「あっ…ちょっ…やっ…」
大輝は、左手は服の外から、
右手はおなかのところから
ニットの中に滑り込ませてきた。
「やめるんじゃなかったの?
ダ…ダメだってば…‼︎」
「あー?うっせぇよ。下は?」
「やっ‼︎ダメ‼︎」
大輝にいくら”ダメ”と言っても
聞き入れてもらえるわけもなく、
あっという間に、
わたしのパンツのウエスト部分から
大輝は中を覗き見た。
「なんだよ?Tじゃねーの?」
「か…会社でそんなの履かないって、
いつも言ってるでしょ!」
パンツスーツの日は
ラインの出ないタイプの
下着を選んでいる。
そりゃ、Tバックも
ラインは出ないけれども…。
「Tバックなら、
オレしかわかんねーから、
履いていーっつってんじゃん。」
そう言いながら、大輝は
今度はわたしのお尻に手を伸ばした。
「やっ…ん…大輝っ‼︎ぁ…」
「…♪いい声♪」
「か…会食‼︎間に合わなくなるっ!」
わたしはすっかり
敬語が抜けてしまっていた。
はぁ…こんなの秘書失格…。
「…ったく。しょーがねぇな。
んじゃ、下着はコレにしろよ?」
そう言って大輝は下着まで渡してきた。
ベージュのTシャツブラ。
ご丁寧にわたしのサイズだ。
「なんで下着まで…」
「黒のままだと透けるだろ?
スーツも下着もウチの新作だぜ?
それもおまえの仕事だろ?」
「…っ⁈」
”仕事”だと言われると逆らえない。
「着替えも手伝うか?」
「だ…大丈夫です‼︎」
わたしは急いで
社長室に備え付けられている
試着室へ逃げ込んだ。
手伝ってもらったら…
ほんとに会食間に合わなくなっちゃう。
大輝のバカ…‼︎