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〜Mint Candy Story〜

第40章 -悪魔-(青峰大輝)


ドキッ…


仕事中にそのセリフはズルイ…。


「青峰社長?仕事中です。
それにわたしは
青峰社長の”女”ではありません。」


自分自身の胸の高鳴りを抑えるため、
さっきまで言わなかったのに、
敢えて冷たく言い放つ。


わたしが青峰社長の
秘書になったのは、2年前。


わたしが青峰社長の
彼女になったのは、1年前。


青峰社長の”オレの女”という
モノのように扱われる発言は
正直気に食わないので、
いつも少しだけ反論する。


「あ?じゃあ、オマエは、
オレのなんだよ?」


「わたしは青峰社長の秘書です。」


「それだけ?」


青峰社長はわたしを試すように
わたしに顔を近づける。


「い…今は…その…」


せっかく自制心を働かせて、
青峰社長に冷たく言ったのに…


「んじゃ、おあずけだな。」


「イヤ…‼︎」


わざとわたしの顔に
フッと息がかかるようにしながら、
わたしから遠ざかろうとした
青峰社長の腕を
わたしは夢中で掴んでしまった。


「何がイヤなんだよ?」


不敵な笑みを浮かべる
青峰社長の姿を見て、
自分の咄嗟の判断に
少しだけ後悔してしまう。


ほら…また彼のペース…


「キス…して…?」


恥ずかしいけど、
わたしは素直に彼に訴えた。


「…‼︎(ンナ声出すなっつーの…)」


自分の都合いい発言に呆れてしまうし、
顔が真っ赤になってるのが、
自分でもよくわかるから、
尚更恥ずかしい。


でも、青峰社長は、
わたしのことばに満足げに頷き、
わたしをためすような台詞を吐く。


「”秘書”にキスしていいのかよ?」


…っ‼︎
付き合う前から
散々キスしてきたのは、自分でしょー⁈


思わず自分から
キスしてしまおうかと思うけど、
身長差がありすぎて、
彼が身を屈めてくれない限り、
それもムリだ。


わたしがプイと拗ねていると、
青峰社長は面白そうにクスクス笑う。


「おまえはオレの何?」


「わたしは…青峰社長の…」


「あ⁈」


”青峰社長”と言ったところで、
彼が口を挟んだ。


目線だけで言いたいコトを伝えてくる。


「わたしは…大輝の…彼女です。」


「ふぅん♪ま、合格点だな…」


…チュ。



そう言った彼は、
やっとわたしにキスを落とした。



妖艶で甘美な…悪魔のキスを…


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