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〜Mint Candy Story〜

第39章 -映画-(宮地清志)


-映画館-


お…終わったぁ…。


映画はエンディングに入って、
すみれ(みゆみゆ)が、
告白してくれた1人1人に
お断りをしているシーンや、
NGシーン等が流れている。


でも、そんなトコロはどうでもいい。


そんなことより…


なんで清志は、
あれからずっと手を握ってるの⁈


どうしよう‼︎
エンディング終わったら、
明るくなるし…
真っ赤な顔もバレちゃう…‼︎‼︎


「行くぞ‼︎」


「え⁈清志⁈まだエンディングが…」


「いいから行くぞ‼︎」


まだエンドロールが流れているのに、
清志は立ち上がり、
わたしの手を握ったまま席を立った。


「ちょっ…清志⁉︎待って…」


清志は1度も振り向かず、
映画館を出ても
どんどん歩き続けたが、
大きな公園の前で、
清志はやっと止まってくれた。


「清志…?どうしたの⁈」


「…。」


清志は何も言ってくれない。


わたしはさっきまで、
意識しすぎて真っ赤だったけど、
突拍子もない清志の行動で、
あの映画のコトが
すっかり頭から抜け落ちていた。


「清志ってば‼︎
みゆみゆの映画だったのに…
エンドロール、
最後まで観なくてよかったの?」


わたしが清志を見上げると、
清志はまだ
不機嫌そうな顔をしていた。


「あの映画…気に食わねぇ…」


「え…?」


清志が…みゆみゆの映画を…
気・に・食・わ・な・い⁈


気に食わないって言った⁈


「清志⁈どうしたの⁈
みゆみゆの映画だよ?
熱でも出た⁈」


背伸びをして、
清志のおでこを触ろうとしたけど、
清志に避けられてしまい、
逆にその手を取られてしまう。


…ドキッ。


「あの映画…
すみれが告られまくってんのが、
気に食わねぇんだよっ!」


「き…よし…⁈」


「…っ‼︎あっ‼︎すみれっつぅか…その…
みゆみゆがだなっ‼︎」


「う…ん?どしたの?清志…」


清志との距離にドキッとしちゃったけど、
清志の言っている意味がわからない。


「……。」


清志はむすっと黙ったままだった。


「清志…?」


「おまえは告られてねーよな?」


「え…⁈」


清志に腕を掴まれたまま、
顔を覗き込まれ、
しかもさっきの映画を思い出し、
わたしはまた真っ赤になってしまう。


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