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〜Mint Candy Story〜

第39章 -映画-(宮地清志)


小坪がいなくなった後、
うわの空でビブスを干していたすみれ…

どうにか干し終えて、
すみれは部員に会わないように
女子更衣室へ逃げた。

いつもなら、
悠馬と悠也と帰るが、
悠也と顔を合わせて、
どうすればいいのか、わからない。

ただでさえ、
悠馬も機嫌が悪そうなのに…

そう思ったすみれは、
部室へ戻らず、
そのまま帰ることにした。

「すみれさん?」

だが、部室を通らないように
遠回りをしていたのに、
体育館の横で偶然、
黄緑間に会ってしまう。

「黄緑間くん⁈ど…どうして…?」

告白された相手ではなかったコトに、
少しホッとしたすみれは、
突然体育館から現れた黄緑間を見つめた。

「部活後に…
筋トレを見てもらってるので。」

「あ…ココ、体操部の…。」

男子体操部のコーチは、
元日本代表の有名な人だった。

「すみれさんは、なんでココに?」

「え⁈あ…えっと…」

帰ろうとするなら、
ココを通る必要はない。

それをわかっての黄緑間の質問に
すみれはこたえられない。

「ま、理由なんかなんでもいい。」

すみれのこたえを待たず、
黄緑間は自己完結したようで、
すみれを見つめた。

「どしたの⁇」

体育館の前を通ったコトを
追求されなかったコトで、
気の抜けたすみれは、
きょとんとして不思議そうに
黄緑間を見つめ返した。

「今日のラッキーアイテムは、
黄緑のタオルだったのだよ。」

「え…?」

たしかに今日の黄緑間は、
黄緑色のタオルを使っていた。
だが、それが何なのか…?
さっぱりわからないすみれは、
きょとんとしていた。

「ラッキーアイテムは絶対なのだよ。
こうして…いつもは会えない場所で、
すみれさんに会えた…」

「黄緑間…くん…?」

「すみれさん…好きです。」

「え?」

「好きなのだよ。」

「…っ⁈黄緑間くん⁈」

すみれは一気に真っ赤になり、
黄緑間から目をそらすが、
黄緑間はそれを許さない。

ジッとすみれを見つめた。

「…っ⁉︎」

昨日からいろんなコトが起きすぎていて、すみれの頭は追いつかない。

「いい返事を…待ってます。」

黄緑間はそう言うと、
体育館を去っていった。

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