第39章 -映画-(宮地清志)
-映画館-
はぁぁ…
ジンジャーエールがなくなりそう…
わたしはドキドキして真っ赤になってる
顔の火照りを少しでも抑えたくて、
飲み物ばかり飲んでしまっていた。
い…今の…尾高くん?
高尾くんにソックリだよーーー。
高尾くんもよくふざけて
あぁいうコト言うし…。
それに、あの悠也…弟のキスって…⁈
「…はぁっ…ったく…」
…⁇
清志の小さなため息が聞こえてきた。
みゆみゆがあんなに告白されてるから、
スネてるのかな。
キスシーンもあったし…。
清志のアイドル好きも
ココまでくると筋金入りだなぁ。
そんなコトを考えながら、
意識しすぎな頭をクールダウンさせる。
でも…
…ギュッ。
…⁈⁈⁈⁈
「…っ⁈きよ…⁇」
思わず小さい声で話し掛けてしまう。
清志はスクリーンを観たまま、
こちらを向いてくれない。
わたしの声に気付いているはずなのに…
どうして⁈
クールダウンなんかできなかった。
わたしの手は、
清志の大きな手にギュッと握られていた。