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第4章 帰る道


3人で本来の世界へと戻る画の前で立つ。
真ん中にイヴ。
イヴの右にギャリー。
イヴの左にメアリー。
3人手を繋いで、その画を見つめていた。
「…やっぱむりだよ」
メアリーと繋いでいる手がゆるむ。
「むりって思うからむりになるの。いけるよ。わたしたちなら」
メアリーの目を見てイヴは言葉をかける。
メアリーは少し心配そうにしている。
ギャリーも「本当にいけるのかしら」と眉が下がっていた。
だけどイヴは
「帰ろう」
その言葉を放った瞬間、一瞬目の前が真っ白になった。
まぶしくて目をつむってしまったので目をゆっくり開けると、目の前の画にかかっていた額縁がなくなっていた。
「これは…いけるんじゃないかしら」
ギャリーはイヴの手を離すと、画の方へと飛び出して行った。
すると、画の中にギャリーが中に入っていき、ギャリーがこっちを見て手を降っているのがわかる。
「いけたわよ!イヴ!早くいらっしゃい!」
ギャリーが手を画から差し伸べてくれる。
イヴはメアリーの手を引き中へと入ろうとしたが…
「メアリー?」
メアリーが動かない。
「わたし、ともだちがほしかったの。いつもいつもひとりだったから…でも、いまならイヴがいてくれる…もう、ひとりじゃない…」
「メアリー…?」
「イヴ!何してるの?早くいらっしゃいよ!」
ギャリーがこっちに手を差し伸べてくれてる…。
その手をとりたい…けどっ
「メアリー、この画をくぐればもっと色んなひとが居るから。わたしとメアリーだけじゃなくて、ギャリーも色んなひとがいるから」
「でもっでれなかったら!?」
メアリーとつなぐ手が強くなる。
「そしたら…そしたらっまたひとり!!!
そんなのやだ!!!やだよぉ!!!イヴ!
いっしょにいてよぉっ!!!」
メアリーが泣き叫ぶ。
「イヴ!早くいらっしゃい!」
ギャリーが名前を呼ぶ。
「イヴ!」「イヴゥ!」
ギャリーとメアリーが同時にわたしの名前を呼ぶ。
…メアリー。メアリーが出れるかわからないけど、けどっ
かけてみるしかないんだよ。
わたしはメアリーの手を強引に引っ張り、画の中へと入った。
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