第2章 ~独りぼっちの世界は白~
「っせぇんだよぉ!!!!」
痛い。じわりと鈍い痛みが私の頬を襲う。
私の帰りが遅いと父に殴られたのだろう。
少しくらい遅くなったって、どうせ結末は一緒だろう。
殴られて、蹴られて、私が気を失うまでずっと続くのだ。
「お前のせいでッ、お前のせいだぁぁぁぁ!!!」
激昂した父は私を只々殴り続けた。
あぁ、今回は早く気を失いそうだ・・・
そう考えた所で私は気を失った。
・・・気が付いたら私は外だった。
恐らく私をひたすら殴った後、外に捨てたのだろう。
所々感覚が無い。それも何時もの事だろう。
・・・・・・あぁ、お腹が減った。
家に入ろうものならその音で父が目覚めてしまうだろう。
仕方なく私は立ち上がり、偶々入っていた財布を持ち
コンビニへと向かった。
「やぁ、こんばんわ・・・かな?」
とことん、私には運という物がないようだ。
「・・・・・・」
私は無視をしてコンビニに入ろうとすると、少年は慌てて
「え、無視?ひどくない?紫音さん?」
と、私の名前を呼んで一緒に入ってくる。
学生服を着ていて、一見もやしのような少年は再度私に話しかけてくる。
「覚えてる、よね?ボクだよ?」
「・・・・・狛枝凪斗、でしょ」
ため息まじりに相手の名を呼ぶと「そうそう!」と笑って頷く。
・・・正直言って、嫌だ。
「・・・ついてこないで、アンタ嫌い」
そういうと相手はあはは、と笑い、
「ボクってつくづく嫌われ物だなあ・・・
最初は皆ボクに話しかけてくれるんだけど・・・
仲良くなると皆離れていくんだよ・・・」
そりゃあんたの中身がヘドロですからね()
「あっそ。それで?何の用?」
ちゃっちゃと自分のご飯を買って、相手に質問する。
「いや、用ってほどじゃないんだけど・・・
ちょっと気になる事があって・・・ね!」
・・・・はー。なるほど。
つまり私に話相手になれと。
「却下、帰る」
ずばっとそういうと少年は眉を下げ、
「ちょっとだけでいいんだ、どうしても・・・駄目かな?」
う・・・中身ヘドロのくせに、断れない・・・
「・・・・五分、ね」
「あはっ、ありがとう!紫音さんは優しいんだね!!」
そういって、私達は最初に出会った公園へと向かっていった。