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恥ずかしがりやの彼女を素直にさせる方法

第7章 ☆番外編☆『バレンタインの夜に欲しいもの』


悠「あっ、ちょ、………あの、ありがとうございます。だけど………」





女性客たちの凄い勢いに圧倒されながらも、悠はちらりと私に視線を向けると、すぐに輪を掻き分けこちらへ向かおうとするものの、女性客らも必死で彼を引き留めようとしているため思うように進まぬ状況に、諦めたのか悠が動きを止めた。





(………?さすがに諦めたのかな………?まぁ、しょうがないよね)





少し離れたところから遠くの彼を見つめていると、その表情は先ほどまでの困り顔ではなく、不敵な笑みへと変わっていて





悠「ごめんね………今の俺は"カノジョ"のものなんで…………また、お店で会いましょう。」




女性客たち「「「「「~~~はい///」」」」」



悠「ん。ありがとうございます。」




悠のとびきりのイケメンスマイルによって有無を言わせない状況に、すべての女の人達が黙りこみ、小さく頷いていた。
沢山の女性客の輪の間をぬってこちらに向かってくる悠を呆然と見つめていると、目の前に来た彼がスッと手を差し出し、にこり微笑みを向ける。





悠「………お待たせ。花音………行こう?」




「___はい///」





繋がれた手から伝わる熱が、少し前まで感じていた寂しさや嫉妬心を消していく。
嬉しくって、恥ずかしくって、ちらりと彼を覗き見ると、彼も私を見ていたらしく視線が重なり、さらにドキドキさせられてしまって。




「そ、それにしても本当に凄かったね。悠目当てのお客さんだらけでビックリしちゃった~!」





ドキドキしすぎて何だか分からなくなってしまった私は誤魔化すように話し出すと、悠はつい先ほどまでの状況を思い出したのか、はあ、と大きなため息を漏らすと、私の肩に顔を埋めた。






悠「…………本当にな。俺もびっくりしたよ。…………あーぁ。すげぇ疲れた。」




「えっ///!?悠っ///!?」





突然の状況に顔を真っ赤にしながら慌てる私を気にする様子もなく肩に頭をのせたままの悠が再び口を開く。






悠「…………何か甘いもんが食べたい。」

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