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恥ずかしがりやの彼女を素直にさせる方法

第7章 ☆番外編☆『バレンタインの夜に欲しいもの』


開店30分前から店へと繋がるエレベーターの近くには終わりの見えない長蛇の列が出来ていた。




「う、わぁ………」


菜奈「ひぇ~……さすがというか、何と言うか………」




列整備へと向かわされた私と 菜奈はその状況に圧倒され、特に私はあまりの女性客の多さに激しく動揺してしまうほどで。




「ね、ねぇ、 菜奈?このお客さん達ってみんな 悠たち目当てなの……? 」



菜奈「そ。7割 悠さんで、残りの3割が 海斗さん目当てってとこかな。………毎年こんなんだから、店長は客要り良くてウハウハだよね。 」



はぁ、とため息を漏らしながら話す 菜奈。


キラキラしたバッチリメイクを施し、気合いの入った服装の女性客たちの手には小さな小袋が握られおり、それぞれがとても楽しそうに入店を心待にしている姿に、先ほどまでの 悠と 海斗の憔悴っぷりが納得できた私。




(やっぱり……… 悠って、凄くモテるんだな……… )







改めて気づかされる現実にちくりと痛む胸。



悠と付き合うようになってから、彼を独占したい気持ちと、自分では彼に不釣り合いだろうと不安になる気持ちが相まった感情が私の心の中に渦巻き、自分の醜さに嫌気がさしてくる。







(こんな気持ち………絶対に悠に知られたくないよ………)






私の気持ちに影が射したままでも、容赦なく進む時間は、開店時刻を迎えたらしく、入店を心待にする女の子たちの列が少しずつ前進していく。





菜奈「花音~~!最後尾のほうお願いしていいー?」




「___あっ、うん!」






菜奈の声にハッとした私は心の中のモヤモヤを払うかのように、目の前の仕事に気持ちを切り替え、列整備や誘導に励んでいた。
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