• テキストサイズ

蒼き昊をみすえ

第2章 出会い


 待たされること一刻。ようやく東宮が到着したということが知らされた。しかし二人は別段緊張というものはなかった。それは、二人にとって実感などがない、いや他人事のような出来事であるからであった。
 御簾の向こう側に現れた、背は同じ年の子よりは少し高そうな影は静かに座った。礼儀上頭を下げつつも、二人は少し見ながら行っていた。侍女や従者のものから指示を受け、二人が顔を上げるとなぜか周りのものからざわつきが感じ取れた。それは、兄弟ではない二人であるはずなのにも関わらず、似ているからであろうということが察することができた。何度も経験しているからこそ察することができるのであった。
「二人は兄弟なのか・・・?」
 御簾の向こう側から聞こえた、少し高めの小さな声は、今までに聞いたこともない優しい声であった。しかし、その声に二人は答えようとはしなかった。いやできなかったといったほうが正しいかもしれないが・・・
 二人はその声に魅せられていたのであった。そんな様子の二人に従者のものは落ち着きがなくなっていた。それは、天帝といわれる神のような存在である帝の子で、後に帝となるで、あろう尊いお方のお言葉に反応しない二人の子どもに苛立ちが隠せないようであった。
/ 13ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp