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蒼き昊をみすえ

第2章 出会い


 夜になると迎えのものという使者がやってきた。その者の指示に従い、龍姫は車へと乗り込んだ。ガタガタと揺られながら、ゆっくりと真っ暗な道のりを進んでいくのであった。龍姫の乗った車とは別に馬に乗った柾天は龍姫の車の護衛をも担っている。そして、峰龍や那尋も柾天同様車ではなく馬で参内するのであった。さすがの龍姫も、帝の使者に馬に乗るなどということは出来なかったのであった。今回は『国府宮家の姫』という名目があるためである。
 一刻が過ぎようとした頃、ようやく帝のいる御所へと到着した。龍姫は、一度着物を着替えるよう指示されたため、別室に行くことになった。その間、峰龍は東宮との顔合わせの部屋へと先に案内されたのであった。柾天、那尋は待機するように指示され、仕事場で待つことになった。
龍姫の着替えが済むとすぐに峰龍のいる部屋へと案内された。そのとき、まだ東宮が到着していないのか峰龍は一人座っていた。そのことに少し安心し、イソイソと峰龍の元への近づいたのであった。
「綺麗な着物だな」
「贅沢品だよ」
 龍姫に話しかけた峰龍の顔は笑っていた。いつもとは違う雰囲気の着物を身に着けた龍姫が可笑しくて仕方がなかったのであった。そんな峰龍のことがわかってか、龍姫もはにかみながら言葉を返すのであった。
「それにしても、綺麗なとこだね」
 しみじみと御所のことを言う龍姫は、ほとんどきたことがなかった。何度かイヤイヤではあるものの訪れたことのある峰龍は、御所のどこに何があるのかの説明を龍姫にしてあげた。その話を龍姫は真剣に聞くのであった。そんな様子の龍姫を峰龍は愛しく感じるのであった。
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