第5章 さらば、もう一人の友よ
「やっぱギルドは最高だぜー!!」
「うわっやかましい」
「暴れんじゃねぇナツ!」
「向こうのナツもこんな感じなのかよ」
「ご愁傷様な事で…」
「あはは、それがねっ "ボ…ボクルーシィさんに苛められて…"みたいな?」
「ぶはははっ!」
「見てぇ! そのナツ超見てぇ!」
「可愛いのよ~」
ほう、見たいって要望があったな。
…よし、
『リサーナ、』
「なぁにアギト?」
俺は二階の手すりに座ってたのを飛び降りてリサーナに近付いた。
そして耳打ちした。
「…あはっ! それいい!」
『な?』
みんなが頭に?を浮かべてる中、リサーナは何処からか鞭を取り出した。
そして俺はナツ(エドラスの服バージョン)に変身した。
「おらぁああ何処行ったぁナツぅ!?」
「ひぃ! 大声出さないで! 怖いよぉぉ…」
リサーナがエドラスのルーシィのフリ。
俺がエドラスのナツの演技をしたのだ。
「だーっはっはっは!」
「何ソレ、ウケる~!」
「笑える! そのナツ笑える!」
「私はルーシィの演技だよ」
「は、腹が、痛い~」
あーみんなの反応楽しかった。
お、あっちにはエクシード組が揃ってるな。
「…さ…騒がしいギルドだな…」
「何て言うか…とにかく騒がしいところなんだな」
「第一印象はみんな同じなのね」
「楽しいとこだよー」
そんな騒々しいギルドの様子を苦笑交じりの表情で眺めているリリーとルーク。
だがその目は珍しいものを見る様に何処か輝いていた。
「此処にいる全員が体内に魔力を持っていると言うのか…」
「そうだ それがアースランドの魔導士」
「エルザ!」
「そーいえばアンタ達エドラスじゃエルザと同僚だったのよね」
「また一緒だね」
そう言ってリリーたちの会話に入って来たのは、何処か誇らしげな様子のエルザ。
別の人物とはいえ、エドラスのエルザと同僚だった二人には他の者たちよりは馴染みやすいのかな。
「しかし、大切なのは魔法そのものではない
魔法を持つ者の心…そうだろ リリー、ルーク」
「フン、一人でも知っている人物がいると落ち着くものだな」
「アギトもいるしな」
『俺は此処だぞ』
「ようアギト!」
声をかけると俺の方に乗って来た。
あーもー可愛いな。