第5章 さらば、もう一人の友よ
「何で…」
「もしかしてエドラスのリサーナが…」
「こっちに来ちゃったワケ~!?」
「ど…どうしよう」
『いや、有り得ねぇからな』
リサーナが唖然と佇むナツを捉えた。
そして、
「ナツ!!」
「どわー!」
涙声で名を呼び、走り出したリサーナはロープを握っているリリーごとナツへと抱き付いた。
そのあまりの勢いに地に倒れ込んだナツに跨り、上から見下ろすリサーナの目には大粒の涙。
「また会えた…"本物"のナツに…」
「、…」
「ハッピー! 私よ! リサーナよ!」
リサーナはただ目を見開き唖然としているナツから離れ、今度はハッピーに抱き着き、俺やグレイ、エルザ、ルーシィ達へと目を向ける。
「うわぁー男のアギトだ! やっぱり生きてたんだね!!
グレイとエルザも久しぶり! うわーん懐かしいなー!
その子たちはギルドの新しいメンバーかしら?
もしかしてルーシィと…小さいウェンディ?」
『…成程…』
俺は今の言葉で全部を理解した。
「ちょっと待て…お前、まさか…こっちのリサーナ!?」
「…うん」
「!!」
「な…」
「ウソぉ!?」
「生き返ったのかー!!」
「うわーい!!」
「ま…待て!」
「「ぐぽっ」」
死んだと思っていた人物が目の前にいる。
その嬉しさに、先程自分がされた様に抱き着こうとするナツとハッピーだが、寸前の所でそれをエルザが止められた。
「お前は二年前に死んだハズだ」
『死んでなかったって事だろ』
「!?」
「うん…死んでなんかいなかったの」
リサーナはゆっくり経緯を話した。