第5章 さらば、もう一人の友よ
「リリーはどこだ!? パンサー・リリーの姿がねぇ!」
『あ、そういえばルークもいないな』
「俺とルークなら此処にいるぞ」
「「「ん?」」」
草むらの影から聞こえて来た低めな声。
みんなが目を向けると、そこには…
何故かちっちゃくなったリリーとルークがいた。
いや、ハッピーやシャルルと同じ体型になっただけなんだけどよ…何かちっちゃく感じる。
「「「ちっちゃあ!?」」」
『また随分と可愛くなったなー』
「どうやらアースランドと俺たちの体格は合わなかったらしいな」
「ちょっとショックだけど、これはこれで良いかもしれないな」
驚きすぎだよお前等。
当の二人は余裕の表情で小さくなった体を確認する様に動かしているけどな。
「アンタたち…体、何ともないの…?」
「今のところはな…俺は王子が世話になったギルドに入りてぇ
約束通りいれてくれるんだろうな、ガジル?」
「俺も行くところなくなっちゃったからな
アギトと同じギルドに入りてぇな」
『歓迎するぜ』
「ギヒ! 勿論だぜ相棒!!」
「うわ…泣いた…」
俺の方に乗って頬を擦り合う俺とルーク。
何か○ケモンのサ○シとピ○チュウみたいだな。
その横でガジルがリリーをギュッと強く抱き締め、喜びの涙を溢れさせている。
どんだけ嬉しいだよお前。
警告警告…ガジルが壊れました。
「…で、それとは別に怪しい奴を捕まえたんだ」
「俺も手伝ったんだぞ」
『ん?』
ガジルの抱擁から何とか逃げ出したリリーは、ずっと握っていたロープを引っ張った。
地味に凄く気になってたんだよなー。
そして、「来い」と言いながらグイと引っ張れば、女の制止を求める声が聞こえて来た。
「ちょ…私…別に…怪しくなんか…きゃっ!」
…ん? 凄く聞き覚えのある声が…
「私も妖精の尻尾の一員なんだけど…」
「リサーナ…」
「そんな…まさか…」
「リサーナ!?」
現れたのは、ロープで両手首を縛られた銀色の髪の女。
俺が行方不明になってる間に亡くなったと聞いていたリサーナだった。