第5章 さらば、もう一人の友よ
<アギトside>
アースランドに帰った俺達。
そして俺は今、何故エクシードがアースランドにいるのかを説明中…。
そーいやあ体内に魔力を持つ奴だからエクシードもだったな。
すっかり忘れてたぜ。
「冗談じゃないわよ コイツらは危険! エドラスに帰すべきよ」
「まぁまぁ」
「エクスタリアもなくなっちゃったんだよ? 許してあげようよ?」
「嫌よ」
ハッピーとウェンディの宥める様な声をバッサリと切り捨て、腕を組んでフンと鼻を鳴らすシャルル。
他のみんなは黙ってそのやり取りを見守るだけだった。
「石を投げたのは謝るよ」
「ごめんなさい」
「でも俺たち帰る場所がないんだ」
「これから改心するよ」
「もう許して」
「そんな事はどうでも良いの!
アンタ達は私に滅竜魔導士を抹殺する"使命"を与えてアースランドに送り込んだ!」
「そうさ! 女王はオイラの卵を奪った! 忘れたとは言わせねぇ!」
「あ! おじさん」
シャルルの言葉に便乗する様に声を上げたのは、独特の髭を携えた白毛のエクシードと、それを窘める青毛の優しげなエクシード。
んー…ハッピーの知り合いなのか?
「……まだ、きちんと説明していませんでしたなぁ…」
重い口をゆっくりと開いたのは四長老の一人、名前は知らん。
彼を筆頭に、残りの長老たちも一人、また一人と口を開き始めた。
「…これは六年前の事になります」
「女王には未来を見る力があるのはもうお話しましたね?」
おぉ…そうだったのか。
「ある日シャゴットは地に堕ちるエクスタリアを見たのです
今思えばエドラスの魔力枯渇による自然落下だったのじゃが…当時は原因を人間の仕業だと思っていた
人間と戦争をしても勝てない事はわかっておった
ワシらは会議の末…100人の子供をエドラスから逃がす計画を立てたのです」
「逃がすだと!?」
「その計画はエクスタリアの民にも内密に行われました
表向きは異世界の怪物、滅竜魔導士を倒すための作戦だという事にしました」
つまり滅竜魔導士に恨みがあったワケじゃなかったのか。