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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


現在アースランドでは大粒の雨が降っていた。
渦を巻いた雲の中心から、まるで水面に広がる波紋の様に眩い光が空を駆けた。



―――ポンッ


「んが」
「きゃっ」
「ぐお」
「ひー」
『よっと』


その波紋の根源から聞こえて来る、何人かの悲鳴。
次の瞬間、ドンッと鈍い音を立てて雨に濡れた緑豊かな地に妖精が舞い降りた…いや、落下した。
積み重なる様にして落下した妖精…もとい、ナツ達。
唯一アギトだけは見事スタッと着地を成功させた。


そして目の前に飛び込んで来た見覚えのある景色。


「帰って来たぞーーっ!!」

『あーこの感じ懐かしい…』


ナツのその叫びに皆も笑みを浮かべて立ち上がり、眼下に広がるマグノリアの街に目を向け、喜びの声を上げる。
そしてアギトは二度目のアースランド帰還に懐かしさを感じていた。


『(あの時お前に助けられたんだよな…本当にありがとう)』


もう一度エドラスにいるジェラールに感謝を伝えたくてゆっくり目を閉じた。


「そうだ妖精の尻尾!」

「!」

「元通りだ!」

「マグノリアの街も!」

「やったぁ!」

「まだ喜ぶのは早い、人々の安全を確認してから…」

「大丈夫だよ!」


不安そうな面持ちでいるエルザの言葉を明るい声が遮った。
その声は空からで、不思議に思い空を見上げた。

そこには笑顔で空を飛ぶ何人ものエクシードの姿があった。


「一足先にアースランドに着いたからね!」
「色々飛び回ってきたんだ」
「ギルドも街の人もみんな無事だったよー!」
「みんなラクリマにされた事すら知らないみたい!」
「アースランドってすげーな 魔力で満ちてるー!」

『おーチェックしてくれたのか ありがとなー』


笑顔のエクシードに手を振るアギト。
そして予想外の事にポカーンとするみんな。
気に食わなさそうに眉を寄せているシャルル。


「何で…何でエクシードがアースランドに!!」




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