第5章 さらば、もう一人の友よ
そして自然に、群衆を見てたアギトとリリーの言葉を受けたジェラールの目が交わった。
アギトはジェラールに微笑んだ。
<<ありがとうジェラール 俺をあの世界から帰してくれて
今でも感謝している ずっと…これからもだ>>
<<私だって…感謝してもし尽くせない>>
<<ははっ なぁに、心配いらねぇよ
たとえ離れ離れになろうが、"俺"はずっとお前の傍にいるさ>>
<<あぁ…そうだな…>>
溢れる涙を拭き、ジェラールは空へ語り掛けた。
「…さようなら、リリー、ナツ、ガジル、ウェンディ…我が家族…妖精の尻尾…」
笑顔で手を振ってくれているナツ達に言い、最後に優しく見つめているアギトへ向いた。
「ありがとう…」
『元気でな…』
(もう一人の最愛の友よ)