第5章 さらば、もう一人の友よ
…だが、
「!」
「追尾型!?」
襲って来たミサイルの幾つかは地面で爆発した。
しかし残ったミサイルは追尾型な為、ウェンディを追って来る。
「きゃっ!」
更に運悪くウェンディは崩れた瓦礫に足を取られ、転んでしまった。
しかしナツが目の前に割って入り、次々とミサイルを壊していく。
「ナツさん!」
[まだまだぁ!]
「出させるか!」
ガジルがミサイルを発射させることろへ"鉄竜棍"を叩き付ける。
[ぬうぅ、小賢しい!]
「ぐおっ!」
鬱陶しく思ったファウストはドロマ・アニムの尻尾でガジルを叩き付けた。
更にミサイルは二発だけ発射されてしまった。
「まだ二発残っていた!」
「うおおおっ!」
「ナツさんダメ! さっきまでのとは違う!」
先程のように再びミサイルを腕と足で破壊しようとするナツ。
しかしウェンディがミサイルの変化に気付き、ナツを呼び止める。
そして、ミサイルが爆発した。
「うああぁあああ!」
「きゃああ!」
先程放たれたのはミサイルではなく火炎弾だったのだ。
そう、火炎。
ナツは炎の滅竜魔導士。
炎は利かない。
[何だと!? 爆炎を…]
「ふぅ」
[! コイツは尻尾を喰ってる!?]
ナツは火炎弾の炎を、ガジルは鉄で出来た尻尾を喰らったのだ。
[デタラメだ!!]
「強ぇな…ドラゴンって言うだけあって」
「一国の王だというのに護衛もつけないなんてよっぽどの自信があるんだ」
「…燃えてきた」
[(これがアースランドの魔導士…これが滅竜魔導士…!)]