第5章 さらば、もう一人の友よ

「王国軍からエクシードを守るんだ！
　ナイトウォーカー達を追撃する！」

「そうだね！」

「あのデカブツはどうする？」

「相手にするだけ無駄だよぅ…魔法が効かないんだから」

「躱しながら守るしかない…今のエクシード達は無防備だ！
　俺達が守らないと！」

[人間は一人として逃がさん！　 全員この場で死んでもらう！！]


ファウストがそう叫ぶと同時にドロマ・アニムの口に集束され始める魔力。
それはまるで銃口に集束したエネルギーを一気に放つ様な強大なものだった。


[消えろおおぉおおおお！！]


集束された魔力が解き放たれた。


『させるか！！』


その時、アギトとジェラールがドロマ・アニムから放たれた光線とエルザ達が乗るレギオンの前へと割り込んだ。
そして間一髪入れずにを魔法陣を展開し、二人で受け止めた。


「っ、アギト！　ミストガン！」

[ミストガン？　それがアースランドでの貴様の名前か、ジェラール！]

「くぅう…っ…エルザ！　今のうちに行け！」

「しかし…」

「行くんだ！」

『エクシード達を任せる！』

「アギト…！」


アギトとジェラールの言葉に眉を寄せ、迷いを見せるエルザ。
その背後ではナツやココが同様に二人の事を見守っている。
アギトはジェラールが乗っている大きな鳥に乗った。


『いくぜ！』

「あぁ！」


アギトの掛け声で二人は魔法陣を変化させた。



『「三重魔法陣・"鏡水"！！」』


[撥ね返し…ぬう！]


息ピッタリのタイミングでドロマ・アニムの攻撃を弾き返して来た二人にファウストは驚きの声を上げる。
次の瞬間、弾き返された光線はドロマ・アニムに直撃し、その体を爆炎の渦へと包み込んだ。


「凄い…息ピッタリ！！」

「やったか…！？」


『…いや、…』


感嘆の声を上げるルーシィ。
しかし、アギトは眉を寄せ爆炎の渦を睨み付けたままだ。