第5章 さらば、もう一人の友よ
…とその渦の中から再びドロマ・アニムが姿を現した。
その体には掠り傷の一つも付いていない。
[ドロマ・アニムに魔法は効かん!!]
対魔戦用魔水晶の力の前に驚愕の表情を浮かべるみんな。
そこへファウストが再度魔力を集束し、先程と同じ光線を勢いよく撃ち放った。
光線の先には大きな鳥に乗ったアギトとジェラール。
「アギト!! ぐああっ!」
『!? バカ…お前…!』
「ミストガンっ!」
迫り来る光線に苦渋の表情を浮かべたジェラールはアギトを勢いよく突き飛ばし、光線の進路から無理矢理外れさせた。
代わりに光線の直撃を喰らい、苦しげな悲鳴を上げるジェラール。
『ジェラール!!』
急いで起き上ってジェラールに手を伸ばすアギト。
身を傾けながらも必死にその手を掴もうと手を伸ばすジェラール。
だが、鳥の背からずり落ちたジェラールは伸ばされた手を掠って遙か下の森へと落下して行った。
『ジェラールーー!!』
[ファーハッハっハッハッ! 貴様には地を這う姿が似合っておるぞ!!
そのまま地上で死ぬが良いわーーっ!!]
『~~~~っ!!』
もう…限界だ!!!
『てめぇは此処でくたばっとけぇえええええええ!!!』
アギトの叫びは正に怒りを纏う竜の咆哮に聞こえた。