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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


「リリー、君に助けられた命だ…君の故郷を守れて良かった」


顔を覆っていた布を外し、優しげな声色で礼を言うミストガン…いや、ジェラール。
その顔にはあの日リリーが助けた幼い子供の面影が確かにあった。


「えぇ…ありがとうございます、…王子…!」

「王子が帰って来たよぅ…!」

「王子!? アギト、王子と幼馴染みだったのか!?」

『まぁそうだな』

「何を冷静に言っているのだ!」

「つーかお前牢に捕まってたんじゃねぇのかよ!?」

『演技だよ え、ん、ぎ』


ハハハ、と笑みを浮かべるアギトにツッコみを入れるエルザ。
と、アギトの傍に一人のエクシードが近寄って来た。

「ちゃんと来たぞ、アギト」

『ルーク、ありがとな』


ニィと屈託のない笑みを浮かべるアギトにつられる様にして、ルークの顔に淡い笑みが浮かぶ。
そんな様子をエルザは不思議そうに首を傾げ眺める。


「アギト、その者は?」

『コイツはルークだ エドラスの俺の友人だよ』

「初めまして、アースランドのエルザ隊長?」

「あ、あぁ…?」


恐らくナイトウォーカーの知り合いなのだろうと感じたエルザは取り敢えず返事を返した。
そうこうしてる間に、アギトはちゃっかりジェラールとリリーに近付いていた。


『ありがとな、ジェラール』

「それは私のセリフだ 君がいなければアニマを展開出来なかった」

『じゃ、お互い様ってことで そいやぁ助けられた命って言ってたけど…彼がリリー?』

「あぁ 知ってるのか?」

『クロスに聞いた ジェラールを助けてくれてありがとな』

「リリー、彼はアースランドのアギトだ」

「なんと! 性別が違う…」

『やっぱ驚くよな』


てか、俺だけの様な気がするんだけど。
何で俺だけ性別が違うの…?
なんて思うアギトだった。


「本当に終わったんだー!」

「やったー!」


みんな喜びの空気で溢れていた。




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