• テキストサイズ

闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


刀剣をギュッと強く握り締め、シャゴットへと歩み寄るシャルル。



「シャルル…!」

「離れたくないよ…」

「僕も此処にいる…」

「もう俺達の歴史は終わるんだ」

「だから女王様は全てを話す気に…」

「でも私…女王様といたいです」

「俺も一緒に此処で…」

「駄目よみんな!! この国は滅びる運命なの!!」


高く振り上げられる刀剣。
己の名を呼ぶウェンディの声を背に、シャルルは一気に刀を突き刺すように振り下ろした。


ザンッと鋭利な切っ先が突き刺さる音。



…辺りは一瞬静寂に包まれた。



「勝手に諦めてるんじゃないわよ!!」


シャルルが刺したのは地だった。


「自分たちの国でしょ!
 神や女王がいなきゃ何も出来ないの!?
 今までウソを吐いてでも必死に生きて来たんじゃない!!
 何で簡単に諦めちゃうの!!
 弱くたって良いわよ! みんなで力を合わせれば何だって出来る!

 この国は亡びない! 私の故郷だもん! 
 無くなったりしないんだから!!」


「「「ぁ…」」」


「私は諦めない…ッ! 絶対に止めてやる…!」


翼を広げ、空へと飛び立つシャルルを涙溢れる瞳で唖然と見送るエクシード達。

…と、もう一人バサッと翼を広げた者がいた。


「ぼ…ぼきゅも行って来るよ…!」

「ナディ…」

「この国が…大好きだから…」

「、…故郷…」


シャルルの言葉を反復するルーク。




/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp