第5章 さらば、もう一人の友よ
…今更何だと言うのだ。
どんな理由があろうと、俺はこの国から追放された。
理由はわからないが、人間とエクシードのハーフの様な容姿をしている事で堕天の烙印を押され国を追われた。
それは絶対に消える事のない事実じゃないか。
ルークはそう言いたい気持ちを抑えてただシャゴット達を睨んでいた。
「女王というものを造り出した我ら長老にこそ責任がありますじゃ
私達はとても弱い種族ですじゃ
大昔…人間達に酷い事もたくさんされて来ました
だから自分達を守るために私達には力があると人間に思い込ませたのですじゃ」
「そしてエクシード全体が自信を取り戻せるよう、エクスタリアの皆に対しても神の力を信じさせました」
「神の力と言ってもその全部がワシら事情を知っとる一部エクシードのハッタリじゃ」
「例えば殺す人間を決める"人間管理" 本当は全部後付です
私達が殺す人間を決めているわけではないし、そんな力も当然ありません
ただ一つ、シャゴットには少しだけ未来を見る力があります…人の死が見えるのです
それをあたかも女王の決定により殺してると思わせたのです」
「神の使いであるエクシードは神聖な者でなくてはならない
だから人間の容姿を含んだルークを堕天とし、この国から追放しました…」
「…、」
先程までの歓喜は何処に行ったのか…四長老の言葉に涙を溢し「嘘だ、嫌だ…」と脅え震えるエクシード達は酷く滑稽で哀れであった。