第5章 さらば、もう一人の友よ
<アギトside>
俺は"透明"で姿を隠し、天体魔法の力で空を飛んでいた。
『…ここらへんだと思ったんだけどな』
もういいだろうと思い"透明"を解く。
そして俺はアイツを探していた。
「来てくれたのか、アギト」
…みーつけた。
いや、みつかった?
『当たり前だろ、ジェラール』
大きな鳥に乗ったミストガン…いや、エドラスのジェラールがいた。
その鳥は何だ? ペットか? まぁいいや。
「今はどういう状況なんだ?」
『国王はエクスタリアを破壊するために俺達の仲間の巨大ラクリマを爆弾代わりに激突させるつもりだ
ったく、国の為を思ってんのか自己中なのかわかんねぇぜ』
「すまない…」
『何でジェラールが謝るんだよ お前だって被害者だろ』
「君達を巻き込んでしまったんだ 謝っても謝り足りないくらいだ」
『お前なぁ…』
変に責任感強すぎ。
いや、王子だから仕方ないのか?
「そういえば…その…」
ジェラールは周りをキョロキョロ見渡している。
…ははーん、
『この世界の俺に会いたいんだな?』
「(ギクッ)!//」
『本当に女になっててビックリしたぜ
んでもって色々と積極的だな、色々と』
大事な事だから一応二回言ったら理解したみたいだ。
ナツとヴィアンなんて完全にシスコンにさせちまってるし。
『俺はクロスって呼んでるけど、賢くてしっかり者だな』
「…あぁ、いつも私を助けてくれる」
『俺も何度も助けられたよ 今はヴィアンといるから心配すんな』
「そうか じゃあアギトは私と来てくれないか?」
『わかってるよ "アニマ"の残痕探しだろ?』
「あぁ」
さっき城にいるとき"念話"で話したヤツだ。
クロスの情報で巨大ラクリマの場所は浮遊島だって事はわかった。
もしも"竜鎖砲"っつーものを放たれたら、その浮遊島とエクスタリアをぶつけられちまう。
だからそれよりも先にその巨大ラクリマをアースランドへ返しちまおうって作戦さ。
エドラスでラクリマにされちまったものはもう一度"アニマ"を通れば元の姿に戻るからな。