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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


「我がエクスタリアの近衛師団が人間なんかにやられるもんかよ、ねー!」

「寝言言ってんじゃないよぉー?」

「本当なの! 王国軍が次に此処を攻撃する…!」

「どうでもいいねー」

「女王様が全て魔法で吹っ飛ばすさ!」

「そうだそうだー!」

「、…っ」


ウェンディの言葉を全く聞き入れず、見下した様な言い方で二人を馬鹿にするエクシード達。

ただ、ナディだけは顔色を変え、驚愕の表情を浮かべている。


「みんな逃げなきゃ、大変な事になるのよ!?」

「黙れ人間ー!」

「きゃ、っ」

「ウェンディ…!?」


必死にエクスタリアの危機を叫ぶウェンディに投げられたのは、言葉などではなく石。
投げたのはまだ幼さ残る子供のエクシードであった。

それを機に、周りのエクシード達も石を拾い、ウェンディとシャルル目掛けて次々と投げ出した。


「女王様の魔力も知らないクセにー!」

「俺達はエクシード!」

「人間より偉いんだー!」

「人間と堕天は出て行けー!」

「此処は女王が治める国、エクスタリア!」

「女王様がいる限り、人間には討てない!」

「…そんなに…そんなに人間が嫌いなら私を好きにして!
 でもシャルルは違う! あなたたちの仲間でしょ!?
 シャルルの話を聞いて! お願い!!」

「っ、ぅ…ウェンディ…」


ウェンディの必死な叫びも届かず、石の雨は止む事無く、更に辺りからは「出て行け」という声が上がり始めた。
石の当たった箇所がジンと鈍く痛み出す。
だが、それよりも心が酷く傷んだ。


「どうして…どうして……」


飛んで来る石から身を挺して守る様に、ウェンディは涙を溢すシャルルをギュッと抱き締める。




―――カカカッ!!


「「「!?」」」


何か鋭利なものが無数地に突き刺さる音が耳に届いた。
途端にピタリと石の雨は止み、辺りはシンと静まり返った。




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