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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


「ルーク隊長凄ぇなー 戦ってる様子見たかったー…」


王国兵はそうぼやいた。
本当に残念そうに溜め息を吐きながら。


「でも女王が直々に処刑するなんて初めてだよな
 エクスタリアってどんな国なんだろー…コイツいいよなー
 処刑の為とはいえ神の国に行けるんだからよ」





『誰が処刑されるって?』


「…へ、」



―――ドスッ



誰かに手刀で首を強打され、気を失う王国兵。


その後ろには…



『作戦成功ー』


アギトがいた。
しかしそれは牢の外。
アギトが牢の中を見ると傷だらけのアギトがまだいた。

しかしアギトがパチンッと指を鳴らすと、牢の中のアギトは霧の様に散ってしまった。



(エリュシアンは魔力で自分の分身を作る魔法が使えるんだよな)

(あぁ、"思念体"って魔法だ)

(それに傷を付けたり出来るか?)

(ダメージを食らったら消えちまうが分身を作る段階で偽装する事は出来るぞ)

(よし、その魔法で満身創痍ってくらいフルボッコにされた分身を作ってくれ
それをルークが牢に連れて行く事でルークがエリュシオンを倒したって錯覚させるんだ)

(成程な)

(だが牢に行く必要はあるのか?)

("闇の滅竜魔導士はボロボロで牢の中にいる"って認識させた方が行動しやすいだろ?
そしてルークは見張りとして一人一緒に同行させる
勿論姿を消したエリュシアンも同行するんだぞ
分身のエリュシアンを牢に入れた後ルークは牢を出る
時間を待ってから本物のエリュシアンが見張りを気絶させる…ってトコだ)

(おぉ)

(流石お姉様です!)



『まさかこうも簡単に成功するとは』


ナイス作戦だクロス。
俺はもう一度"透明"で姿を消して牢を出た。
ルークはエクスタリアに行ってるし、クロスとヴィアンはアレだよな。
俺はナツ達を探すか? それともまずルーシィを助けるか?


いや、まずはアニマを作り出す部屋を探そう。
そう結論付けた俺はアニマの部屋とナツ達を探す事にした。





…が、現実はそう甘くなかった。
城の中が広すぎてさっぱりだ。
自分が何処を歩いてるのかすらわかんねぇ。


『どうすっかなー…!』



色々思案している俺の頭に聞きなれた声が響いた。
部屋よりもそっちを先にした方がいいな!

俺は"神速"で城を出た。




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