第5章 さらば、もう一人の友よ
<side out>
その頃のハッピーとシャルルも同じ話を聞かされていた。
あまりにも衝撃的な話にシャルルはへたり込む。
「ですがよりによって危険な彼の方を取り逃がすとは」
「しかし結果オーライ、お前達は他の滅竜魔導士を連れて来たのだからな
魔力化(マジカライズ)は人間共に任せてある
そういうのは人間共の方が得意だからな
唯一取り逃がした彼もじきに捕まるだろう」
「ち…違う…私は自分の意志で…エドラスに…」
「ううん…命令を実行しただけだよ」
シャルルの言葉にナディは追い詰める言葉を言う。
「みんなを助ける為に…坑道へ…」
「気付いていなかったのかい? ぼきゅ達が誘導したんだよ」
「私は…私は…ウェンディが大好きだから…守りたいって…」
「それは一種の錯覚だね 命令が"抹殺"から"連行"に…すなわち"殺してはいけない"と変更された事による…」
「ウソだあああーーーーーーっ!!」
ナディの言葉にシャルルは泣き、大声を出す。
「お前達の行動全ては私達の命令によるものだ」
ニチヤはシャルルに対してそう言う。
だが、
「オイラ達は操り人形じゃない!!!」
今まで黙って聞いていたハッピーが怒りを爆発させ、ナディとニチヤに向かって言った。
「オ…オス…」
「オイラ達は…」
(心配すんな、ハッピー)
(っ、アギト…)
(お前等は妖精の尻尾の魔導士だ 俺達の仲間だ)
「妖精の尻尾の魔導士だ!!」
「ハッピィ…」