第5章 さらば、もう一人の友よ
「エドラスの子らよ 我が神聖なるエドラス国はアニマにより10年分もの魔力を生み出した」
生み出しただと?
俺達の世界から奪ったくせによく言うぜ。
「共に歌い共に笑い…この喜びを分かち合おう
エドラスの民にはこの魔力を共有する権利があり
また…エドラスの民のみが未来へと続く神聖なる民族!!
我が国からは誰も魔力を奪えない!!
そして我は更なる魔力を手に入れると約束しよう!!
これしきの魔力がゴミに思えるほどのなぁ!!」
国王は巨大なラクリマを杖みたいなので叩いた。
そこから砕けた小さなラクリマが地面に転がった。
『……』
『大丈夫か、エリュシアン』
『あぁ…今すぐ殴りに行きてぇけど今暴れたら元も子もねぇからな』
『ひとまずナツ達と合流しようぜ』
『そうだな』
クロスがいてくれて助かったぜ。
もしクロスがいなかったら暴れてなかったとしても冷静さを失ってたかもしれねぇからな。
クロスを抱えて地面に降りた俺達はナツ達を探した。
『あ、見つけた おーいナツー!』
「ん…アギト!」
「良かった、合流出来て」
ナツ達と相談して、取り敢えず宿を取る事にした。