第5章 さらば、もう一人の友よ
「あ…アギトさん!」
『ん?』
エドナツはクロスを呼び止めた。
ナツ達は先に行ったから俺は一応一緒に止まった。
「本当に…王国と…戦うんですか?」
『どうかな? 素直にエリュシアンの仲間を返してくれれば戦わずに済むんだけどな
ただで返してくれねぇようならやるしかねぇさ』
「…王国になんて…勝てるワケないですよ…」
エドナツは今にも泣き出しそうだな。
この世界にとって王国は絶対的存在なんだよな。
クロスはエドナツに近付いて額にキスをした。
『絶対ぇ戻ってくる だから待っててくれ』
そう言い残して俺のところへ戻って来た。
ナツ達を追う為に走ってな。
『アレでいいのか?』
『帰った時に愛でるからいいんだよ』
『ナツばっかりに気を取られてジェラールはどうすんだよ』
『六年間も留守にしてたんだ…寝させるヒマなんか与えねぇくらい愛でるさ
それにナツは知ってるからな、俺の一番はジェラールだって』
『ならいいけど』