第4章 再会と離別を同時に
<アギトside>
俺は取り調べ室を出て廊下を歩いていた。
ったく、面倒臭かったなー。
コブラ達もジェラールも解放してくれねぇし…まぁそうか。
だがいつか絶対解放してやるからな…待ってろよ!
『…あ、そうだ…』
重要な事を忘れてた…。
評議院の取り調べよりも厳しい難関が待ち受けてるよな…。
『(エルザの精神的拷問…)』
またギルドでされるんだろうか…うわぁ帰るのやめようかな…。
いや、その方が機嫌損ねるから止めた方がいいか。
五時間正座って地味に苦しいぞ…!
「いたいた!」
「アギトー!」
「遅ぇぞ!」
『ん? お前等、』
ルーシィにナツにグレイ、エルザまで。
何で此処にいるんだ?
特にナツ、お前「評議院に行きたくねぇ!!」って言ってなかったっけ?
「遅ぇから迎えに来てやったぞ!」
「早く帰って来いよ、宴会始まってるぜ」
「いつもの事だけどね」
「ギルドが襲われたらしくて掃除が大変だったがな」
あーミッドナイトが来た時のな。
良かった…エルザ怒ってないっぽい。
俺達は賑やかに話しながらギルドへ帰った。
「? アレは誰だ?」
マグノリアの少し手前の森まで着いた。
森のすぐ手前で誰かが立っていたのをナツが見つけた。
「何処だ?」
「ホラ、あの木に凭れながら立ってる男」
「あ、ホントだ」
俺も見つけた。
金と銀の間の綺麗な髪…ん?
アレ…何か最近見た様な…?
『…ヴィアン…なのか…?』
「アギトの知り合いか?」
『知り合いっつーか…』
六魔の時俺の命を狙ってきた奴です、なんて言えるワケねぇよな。
にしても何でこんなところに?
まさか俺を狙って…。
と思ったらヴィアンも俺に気付いたらしく、近付いて来た。
敵意はなさそうだから様子を見る事にした。
「アギトさん…」
『…ん?』
さん…だと?
コイツ俺を恨んでるんじゃなかったのか?
と思ったらヴィアンは屈んで片膝を付いて…んん?
「俺を貴方の側に置かせてください!!」
「「「「ええぇえええええ!?」」」」
俗に言う跪くってヤツか。
…ちょっと待て!?