第4章 再会と離別を同時に
そんなウェンディにローバウルは優しく微笑みながら声を掛ける。
「ウェンディ、シャルル もうお前たちに偽りの仲間はいらない
本当の仲間がいるではないか」
ローバウルが指差す方には、数々の苦難を共に乗り越えた連合の仲間達の姿。
ウェンディの頬から止めどなく涙が零れ落ちる。
「お前たちの未来は始まったばかりだ…」
ローバウルの体が薄く光り出した。
「マスター!」
「皆さん、本当にありがとう
ウェンディとシャルルを頼みます」
駆け寄るウェンディを待たずして、光の粒子となってその姿を消すローバウル。
そして、まるでローバウルと同じように涙を溢すウェンディとシャルルの腕から、化猫の宿のメンバーとしての紋章がスゥと消えていく。
その場に泣き崩れるウェンディ。
「マスタァーーーー!!」
「、っ…」
みんなはどう声を掛けて良いのかわからず、ただ悲痛な面持ちでそれを見守る。
と、ウェンディの肩に、頭に優しくトンと手が乗せられた。
「愛する者との別れのつらさは…仲間が埋めてくれる…」
「…っ…」
エルザだった。
「来い、妖精の尻尾へ」