第4章 再会と離別を同時に
「マグナ! ペペル! 何コレ…みんな…!」
「アンタ達!」
「どうなってるんだ!? 人が消えていく!」
「いやよ! みんな…消えちゃいや!」
泣き叫ぶウェンディに皆は笑顔を浮かべて消えていく。
「騙していてすまなかったな、ウェンディ…ギルドのメンバーは皆…ワシが作り出した幻じゃ」
「何だとぉ!?」
「人格を持つ幻だと!?」
「何という魔力なのだ!」
ナツ達はただ驚きに目を見開き、声を上げることしかできないでいた。
「ワシはニルヴァーナを見守るために、この廃村に一人で住んでいたが…七年前、二人の少年がワシのところに来た」
(この子を預かってください!)
(お願いします!)
まだ幼さが残る少年に抱えられた、幼い少女。
「少年達のあまりに真っ直ぐな目に、ワシはつい承諾してしまった 一人でいようと決めていたのにな…」
悲しげに目を伏せるローバウルに、ウェンディは思い出したかの様にハッとした。
(おじいちゃん、此処…何処?)
(こ…ここはじゃな…)
(ジェラール…アギトさん…私をギルドに連れて行ってくれるって…)
(ギ、ギルドじゃよ! ここは魔導士のギルドじゃ!)
(本当!?)
(なぶら外に出てみなさい 仲間達が待ってるよ)
ウェンディに寂しい思いをさせないための優しい嘘。
「ウェンディのために造られたギルド…」
「そんな話聞きたくないっ! バスクもナオキも消えないで!!」
耳を押さえ、泣き叫ぶウェンディ。