第4章 再会と離別を同時に
真っ赤に染まる空。
エルザはニルヴァーナの瓦礫を背に座り込んでいた。
(ジェラール・フェルナンデス)
(うわー、覚えづれぇ)
(そういうお前だって、ウォーリー・ブキャナンって忘れそうだよ)
(エルザ、お前は?)
(私はエルザ、ただのエルザだよ)
(それは寂しいな……あ、)
(ちょ、何よぉ…)
(きれいな緋色…)
(ひ、いろ?)
(…そうだ、エルザ・スカーレットって名前にしよう!)
「っ……」
(くそー、次は絶対勝ってやるからな! 覚えとけ!)
(ああ、私もだ 次は負けないからな!)
(次も勝ってやるぜ)
(アギト! 今度また俺と勝負だ!)
(俺だって負けねぇぞ!)
(((ようこそ、妖精の尻尾へ!!!)))
(…あぁ、よろしくな!!)
「…アギト…ジェラー、ル…」
その日の朝焼けは、今まで見たことのないくらい美しい緋色に染まっていた。
エルザの髪の色の様に…温かく情熱的に。
顔を上げれば美しい空が広がっているのに。
顔を見上げれば…