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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


「来い、ジェラール! お前はエルザから離れちゃいけねぇっ!

 ずっと側にいるんだ! エルザの為に!!

 アギト、お前も来い! 俺達と帰るんだ!

 昔何があったかなんて関係ねぇだろ!? お前等はお前等だろ!!

 だから来いっ! 俺達がついている! 仲間だろ!!」


「全員捕えろ! 公務執行妨害及び逃亡幇助だー!!」

「アギトー!! ジェラール!!」


ニルヴァーナでの戦いでみんなの体力は限界だった。
更に数が違い過ぎる。
ナツ達は人の波に飲まれていく。





「もういい! そこまでだ!!」


辺りに響き渡るエルザの叫び。
驚きの表情を浮かべながらも、全員がピタッと動きを止めた。


「騒がせてすまない 責任は…全て私がとる」

「…、」

「二人を…連れて…行け…」

「エルザ!」


掠れる様な声で苦しげに言った。
対してアギトとジェラールは軽く笑みを浮かべた。
周りは静寂に包まれ、足音しか聞こえない。



「…! そうだ、」



ジェラールがふと立ち止まった。



「お前の髪の色だった」


「!」



エルザの方に振り向いた。

その顔は懐かしむ様に優しい顔だった。



「さよなら…エルザ」


「っ、さよならではない!」



歩き出そうとした二人の足をエルザの声が止めた。



「待っている! お前が帰ってくる事を!」


エルザはアギトの聖十のバッジを取り出した。



「アギトと約束してるんだ…コレを返すまで…待っている!

 だからっ…帰ってこい!!」


「…、……」


「アギトもだ! 無罪を主張して…さっさと帰って来い!!」


『…あぁ』


二人は苦笑で返した。




護送車の闇に二人の姿が溶ける様に消える。


重々しい音を立て、扉が閉じられた


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