• テキストサイズ

闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


「…で、あれは誰なんだ?」


話しが途切れたのを見計らい、ふと、グレイが今まで疑問に思っていたことを口にした。
その言葉に、みんながグレイの視線を辿る。

そこには静かに何かを考え込んでいるジェラールの姿があった。
その隣にアギトが立っていた。
二人は一言二言交わしては沈黙の繰り返しだった。
偶にアギトがジェラールの碧い髪を優しく撫でている。
本当なら今すぐにでもアギトの所に駆け付けたいのだが…状況が読めない。


「…青い天馬のホストか?」

「あんな人いたっけ?」

「アギトと親しそうだけど…」

「…ジェラールだ」

「何!?」

「あの人が!?」


エルザの言葉に体を飛び跳ねらせて驚くグレイとルーシィ。


「だが、私達の知っているジェラールではない」

「大丈夫だよ、ジェラールは本当はいい人だから!」


二人に嬉しそうに話すウェンディ。



エルザは輪からひっそりと抜け出し、二人の傍に歩み寄っていた。


「…取り合えず、力を貸してくれたことには感謝せねばな」

「エルザ…いや…感謝されるようなことは何も…」

「これからどうするつもりだ?」

「…これから…」


復唱するようにそう呟き、ジェラールは「わからない…」と小さく溢す。
二人の会話をアギトは頭を掻きながら、また空を見上げながら聞いていた。


「…そうだな 私とお前との答えも簡単にはでそうにない…」

「…怖いんだ…っ」

「怖い?」


俯き、組んだ腕を震わせるジェラール。
その姿は言葉通り、何かに怯えているようだ。


『……』

「記憶が…戻るのが…っ…怖いんだ…」

「ジェラール…」


震えるジェラールを見た。


/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp