第4章 再会と離別を同時に
『、…!』
「何だ…!?」
突然激しく揺れ出すニルヴァーナ。
周りを見渡せば天井や壁が崩れ始めている。
「うおわっ…力が入らねぇ…! うおあぁ…っ」
先程の闘いで魔力を使い切ったのか、激しく揺れる地にナツがバランスを崩した。
更にナツが倒れ込んだ地面に亀裂が入り、巨大な穴が開いた。
成すすべなく落下するナツ。
だが、
『っ、放すな!』
「アギト…!」
穴に落ちるギリギリだった。
アギトが鎖を出現させてナツを捕まえた。
ジェラールを右に担ぎ上げ、ナツの元に向かう。
ナツも左に担ぎ、出口目掛けて必死に駆け出す。
「無理すんなアギト!」
『お前等ボロボロだろうが! "神速"!!』
床が抜け落ち、瓦礫だらけの最悪な足場を跳躍しながら駆ける。
そして、そろそろ出口が見えてくるだろう、というところでジェラールが声を上げた。
「マズイ…! アギト上だ!」
『!?』
足元に神経を集中させていたせいか、頭上から落下してきた巨大な瓦礫に気付けなかった。
周囲を見やるが瓦礫に埋もれ、逃げ場がない。
激しい音を立て、瓦礫が落下した。