第4章 再会と離別を同時に
「、!」
『ナツ!』
最後の天井を突き破り、咆哮を上げたナツがアギトとジェラールの目に飛び込んだ。
炎を纏って雄々しく空を駆り、ナツはゼロの体をラクリマに激突させた。
音を立てて砕け散るラクリマ。
動きを止め、崩壊しながら傾いていくニルヴァーナ。
グレイが、ルーシィが、一夜が、エルザが、ウェンディが、ナツが…、同じタイミングでそれぞれ六つのラクリマを破壊した。
「っ…たく、硬ぇラクリマだったがよぉ…
これでいいんだろ? イグニール…」
『…やったな』
「ナツ・ドラグニル……やはり、期待以上の男だった…」
硝煙の中で倒れているゼロと、フラリと立ち上がるナツを見、アギトとジェラールの顔に笑みが浮かぶ。
期待以上というか、期待を上回り過ぎている気がするけどと思った。
『(何はともあれ…これで全部終わったな)』
アギトが目を細め、安堵の息を吐いた時だった。