第4章 再会と離別を同時に
「ナツ…」
様子が見えない事で心配になったジェラールはナツの名を呟いた。
「、ここからでは…下の様子が見えないな…」
『ナツなら心配いらない エルザの仲間なんだからな』
「…そうだな」
『にしてもジェラール、全魔力使い果たしたのかよ』
「ゼロを倒す為だ」
『無茶しやがって…』
アギトはジェラールに手を翳し、魔力を込める。
ウェンディの治癒魔法だ。
「っ、治癒魔法、使えるのか?」
『さっき覚えたんだ』
ウェンディとの別れ際に額をくっつけた時に覚えたのだ。
『でもジェラールの行動は正しかったと思うぜ
ナツは治癒よりも炎の方が好きだからな』
「そうか…」
記憶がなくてもジェラールはアギトと話してると懐かしく感じてしまう。
アギトはジェラールを治療しながら穴に目を向けた。
『(ナツ…頑張れよ
俺にエリュシオンがいるように
お前にもイグニールがついているんだからな)』