第4章 再会と離別を同時に
が、
「…な、!」
「うおおぉらぁ!」
「ぐああぁあっ!…くおぉ!」
ナツはいとも簡単にゼロの攻撃を片手で薙ぎ払い、一気に距離を詰めて連撃を叩き込む。
ゼロも負けじと蹴りや拳を繰り出すが、ナツの攻撃で再び壁へと吹っ飛ばされる。
ナツの体から金色の炎が放出される。
その炎はどんどん大きくなり、竜の姿を創り出す。
「この力…この光…ドラゴンフォース…!?」
ナツの顔に鱗の様なものが浮き出る。
ドラゴンフォースとは…滅竜魔法の最終形態。
滅竜魔導士の体内に眠る竜の力を解放する。
その魔力は実際の竜にも匹敵するといわれている、全てを破壊する力。
「(破壊…)」
自分は"無"を意味するコードネーム。
ゼロは破壊という言葉にニヤリと口角を上げた。
「これなら勝てる!」
「来い、ドラゴンの力よ!」
「行くぞぉお!」
再び激しくぶつかり合うナツとゼロ。
金色の炎を纏った肘をナツがゼロに叩き込む。
だがゼロは易々とそれを受け止め、翳すように腕を振り上げる。
「"ダークグラビティ"!」
「っうおぁあ!?」
ゼロが重力のような力を地面に叩き込み、床を破壊する。
ナツは崩れる床に足を取られ、そのまま開いた穴へと落下した。
ゼロもナツを追うように穴に飛び込む。