• テキストサイズ

闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


その頃、6の番号のラクリマがある部屋。
そこはジェラールとアギトが向かうハズだった部屋だ。


「本当に出来るの? ウェンディ」

「これは私がやらなきゃいけない事なんだ」


ウェンディは破壊の魔法が使えないと言っていた。
しかしこの場にいるということは、この部屋のラクリマを壊す為という事になる。
何故ウェンディがこの部屋にいるのか…それは少し前に遡る。



*



「ジェラール、具合悪いの?」


急に立ち止まり、向かい合ったまま動かなくなったジェラールを不思議に思い、窺うように見るウェンディ。


「いや…君は確か、治癒の魔法が使えたな…?」

「え、あ…うん」

「ゼロと闘うこととなるナツの魔力を回復できるか?」

「そ、それが…」


ジェラールの言葉に眉を下げ、口籠るウェンディ。
その様子を見兼ねたシャルル代わりに口を開く。


「何馬鹿なこと言ってんの! 今日だけで何回治癒魔法を使ったと思ってるのよ!
 これ以上は無理! 元々この子は…」

「そうか…ならばナツの回復は俺がやろう」

「「え、」」


ジェラールの言葉に素っ頓狂な声を上げるウェンディとシャルル。


『ジェラール…治癒魔法が使える様になったのか?』

「いいや、ナツは炎の滅竜魔導士だ 炎を食べれば回復出来る
 だからアギトは6のラクリマを壊しに行ってくれないか?」

『大丈夫なのか…?』

「思い出したんだ ナツという男の底知れない力、希望の力を」

『…そっか、わかった』

「頼んだぞ」


ジェラールは何故かこの会話が懐かしく思えた。
やはり自分はアギトと親しくしていたのだろうか、と思う。
しかし今は一刻を争う為、ジェラールはナツの元へ向かった。


/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp