第4章 再会と離別を同時に
「っ、…」
ジェラールはこの光景に見覚えがある様な気がした。
エルザとナツを守ろうと前へ出た大柄の男に攻撃が当たる直前、
その魔法を消した銀髪の男。
「(アギト、なのか…?)…っく」
『ジェラール!?』
「お前!?」
無理をして咄嗟に動いたジェラールは力なく倒れ込んでしまった。
目を背ける事が出来ず振り向いたアギトはジェラールを軽く抱き寄せた。
そんな三人に構わずアギトに問いかけるゼロ。
「何故俺の邪魔をする、アギト」
『馴れ馴れしく俺を呼ぶな 俺は"お前"を知らない
俺はジェラールを守りたい 仲間を助けたくて来た、それだけだ』
「…俺も、だ…ナツ…」
ジェラールに呼ばれ、アギトに向けていた視線をジェラールに向ける。
「俺をやるのはいつでも出来る もう…こんなボロボロなんだ
今は…奴を倒す力を…」
そう言うとジェラールは、手に炎を灯した。
それはただの炎ではなかった。
「金色の…炎…」