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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


「何!?」

「あ゙ぁ!?」

「炎の滅竜魔導士、その魔力は炎の力で増幅する」

「、! 炎の…力で、…」


ジェラールがそう言い放つと、ナツの体を包んでいた炎がより燃え盛りだした。


「…貴様、完全に記憶を取り戻してはいないな」

「言った通り、ナツを思い出しただけだ
 ニルヴァーナは止める 俺のやろうとしていることは変わらんぞ、ゼロ」

「…何だよ、記憶って!」


ナツの声にジェラールはゼロから視線を移し、その質問に答える。


「俺にはこの地で目覚める以前の記憶がない」

「な…!」

「最低の屑だということはわかったが、自覚がないんだ
 どうやら君やエルザ、アギトを酷く傷付けたらしい
 だが、今はウェンディのギルドを守りたい
 ニルヴァーナを止めたい…君達の力になりたいんだ」

「っ、ふざけんなぁ!」

「ぐっ、」


激昂したナツがジェラールに殴りかかる。
殴られた衝撃でよろめくジェラールにナツは怒りの籠もった声で怒鳴る。


「あのことを忘れたって言うのか!? 何味方のフリしてんだテメェ!」

「頼む…ナツ…今は炎を受け取ってくれ…」


痛みに耐え、必死に頼み込むジェラールだが、ナツは怒りのままに胸倉を掴み上げる。


「俺は忘れねぇ! エルザの涙を…アギトの目を!

 お前が泣かしたんだ! 傷付けたんだあっ!!」

「…、」


ナツを見て、自分が犯した事の重大さを知る。
しかし自覚が無いからどうしていいのかわからないジェラールは言葉を繋ぐ事が出来ない。


「やれやれ、内輪もめなら別の場所でやってくれねぇかな


 鬱陶しいんだよ!!」


今まで黙って見ていたゼロが二人へと攻撃を放った。
突然のことに驚く二人。


「ナツ!」

「!?」


ジェラールはナツの腕を払い、庇う様に前へ出た。








『"波動"!』



「「「!?」」」


ジェラールに当たると思っていた攻撃が掻き消された。
ゼロの魔法を消した張本人はすぐにジェラールを庇う様に更に前へ出た。

そこに立ったのは、見慣れた男だった。


「アギト!?」

『間に、合ったか…』


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