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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


<side out>

1の番号のラクリマがある部屋。
そこではエルザの予想通り、ナツとゼロが戦っていた。


「"常闇奇想曲"(ダークカプリチオ)!!」

「くっ」


手から螺旋巻く光線を発射して攻撃するゼロ。
それを間一髪躱すナツ。


「ブレインのものと一緒にするなよ」


ゼロは加えて手をナツに翳した。
すると放った光線は未だ残っており、地面から現れてナツに直撃する。


「ぐあっ!」

「ははっ」


その光線は生きている様に動き回り、何度もナツを攻撃する。


「クハハハハハッ!! 壊れんのはどっちかって!?

 てめぇに決まってんだろうかーーっ!!」

「火竜の…鉄拳!!」


ならば、と応える様にナツは光線に攻撃を放つ。


「ぎいい…おおおおああああっ!!」


何とか耐え切ったナツだが、既にボロボロになっていた。
それを見て感心した様にゼロが言う。


「貫通性の魔法を止めるとは面白い…」


ゼロが新たに何かの魔法を放とうとした。


その時だった。



「ぐあっ!」


どこからか炎の攻撃が放たれ、ナツは後ろに少し飛ばされた。


見るとそこには、一人の男が立っていた。



「ジェラー…ル…」


怒りを露わにして唸るナツをジェラールは静かに見据えた。
想像もしていなかった第三者の正体に呆気にとられていたゼロだが、すぐにニィ、と笑みを浮かべる。


「貴様…記憶が戻ったのか」

「…あぁ」


ゼロの言葉に口角を上げて答えるジェラール。
ナツは怒りに顔を歪め、震える腕と足に力を込めて立ち上がる。


「…ジェラァアアアル!!」


目標をゼロからジェラールに変え、咆哮を上げながら向かってくるナツ。
ジェラールはゆっくりとした動作でナツに手を向け、そして再び炎の魔法を放った。
赤々と燃え盛る炎がナツの体を包み込む。


「っ…俺に炎は効かねぇぞ!」

「…知ってるさ 思い出したんだ」

「…?」


炎の滅竜魔導士であるナツに火炎系の攻撃は効かない。
しかし、ジェラールはそれを知っていてなお、ナツに炎の魔法を放ったというのだ。
ゼロが訝しげにジェラールを見る。



「思い出したんだ…


 "ナツ"という希望をな」


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